エルサレム人という不思議なヒト科の生き物の知られざる世界をmiche13がレポートします。イラストはたかこ。


by miche13
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エルアル航空セキュリティチェック

やっとイタリアから帰り着きました。イタリアは老若男女おしゃれで美しくしかもお行儀がよく性格もいい、天国のような場所でした。
竜宮城での楽しい思いもFiumicino空港に到着するなり一気に奈落の底に突き落とされました。

12時のフライトの3時間前に空港に到着。
スクリーンに表示してあるとおりチェックインカウンター366に向かった。
だれもいない。早すぎたのかな。と思いつつもカウンターにチケットをだすと
「あ、テルアビブ行き?それはね400番のカウンターよ。」

400番のカウンターに行くには、イタリア軍がなぜか警備しているところを通過しなければならなかった。
400番のカウンターに行くと、ここは違う。という、キレマシタ。
「じゃ、どこなのよ。」と職員に問い詰めると
「知らない。」
「知らないってどういうことよ。」と、怒りをぶつけましたが埒が明かず、ほかのカウンターで聞くと教えてくれた。その場所に行ってみると人一人おらず。
うろうろしているとエルアル航空のメッセージボード発見。425番でセキュリティチェック。しかし425番はどこにあるのだ。奥のほうに人の列が。
近づいて聞いてみると、テルアビブ行きの列だった。最後列に並んでいるとフランス系ユダヤ人カップルときちんとした身なりの男が横入り体制。
私の前のおじさんに
「あの人たちなんであんなところに並んでるの。ちゃんと順番どおり並べばいいのに。」と愚痴ると、その人たちに注意してくれました。

男は並んでるの知らなかったと言っておとなしく後ろに並んだが、女は
「私はあなたよりも前にここにきて並んでたけど、いいわ、言い争う元気ないから。」とのたまう。
紳士的なおじさん静かに激怒
「きみ、めがねをかけたほうがいいんじゃないか。僕の前にも後ろにも君はいなかったよ。いい加減にしろ。」

もう、空港に着いた時点でイスラエルです。こういうまっすぐ並ぶことができない人ときちんとした人とのギャップが激しすぎます。

さて、セキュリティチェックの列は一向に進まず。それもそのはず係員がまだ2人しか来てないから。結局フライトの1時間半前になってようやく10人ほどの係員が到着。
一時間半も立ちっぱなしでへろへろです。おなかもすきました。

私の番がやってくると「イスラエルのパスポート?」と聞かれた。
「あ、違いますけど。」
「じゃ、もう少し待ってて。」
「待っててってどういうこと。さっきのイタリア人もそういって30分ぐらい待たされてたでしょ。今までこんな扱い受けたことないよ。待てない。もうこれ以上待てないよ。今すぐして。」と、言っても埒が明かず後ろの人に怒りをぶちまけつつ待ちました。

順番がきました。私の担当はかわいい女の子とでかい男の人でした。
今まで尋問を何度も受けましたが、これほどしつこくいろいろなことを聞かれたのははじめてです。さすがうわさに聞く恐るべしエルアル航空。

質問内容は、イスラエルで何をしているか、ヘブライ語はどこで習ったか、居住年数、住所、ルームメイトの名前と職業、前の住所、家族構成、両親の仕事、私の収入源、職歴、学歴、博論のタイトルおよび内容、イスラエルに来た理由、イタリアに来た理由、イタリアはどこにいたか。観光に使った交通機関。イスラエル人の友達の名前、どこでどのようにして知り合ったか、シリア出身者を知っているか、ヨルダンに行ったことあるか、学生ビザがないのはなぜか、大学の寮に住んでいたことがあるか、寮の名前、その他もろもろ

見せたものは、
イスラエルの銀行カード、保険証、学生証、イタリア滞在中の交通機関のチケット、バチカン博物館入館カード、滞在中の写真、宿泊先の領収書(要求されたがホステル滞在だからそんなものない)、博論ドラフト、指導教官の論文

担当官は何度も奥に行き、また別の質問をしに戻ってくる。何度も聞かれたのがイスラエルで仕事をしているかどうか。していても労働許可がないので口が裂けても言えません。貯金と奨学金それと日本に夏に4ヶ月出稼ぎに帰っているというのを信じてもらえなかったようです。でも、4か月分の給料を全部持ってきたらイスラエルで1年、正確には8ヶ月暮らすことは十分可能だと思うのだけど。

再度戻ってきた係官は、「あなたの指導教官に電話をしてもいいかしら。」
「あ、いいですよ。彼とは昨日メールで話したばかりだし、とてもいい人だから。」
私はローマの石畳の上を歩きすぎでたっていられないくらい足が痛い。座り込んでいたらいすを持ってきてくれました。
周りを見回すと尋問されているのは私のみ。もう一人外国人がスーツケースをチェックされていました。

教官はどうも不在だったようです。
「あなたのルームメイトの電話番号教えてもらってもいい?」
携帯の番号を教えた。

係官が戻ってくると、
「ルームメイトがよろしくって言ってたよ。」
そして尋問の最後に必ず聞かれるお約束の質問
「知らない人から荷物を預かってませんか。知り合いから中身のわからない荷物を預かってませんか。」といってパスポートにシールを貼って終了。
ああ、ルームメイトが電話に出てよかった。出なかったら私はもしかしたら飛行機に乗れなかったかもしれない。

チェックインカウンターで搭乗手続きをすると
「搭乗時間まであと5分です。」時計を見ると11時55分だった。

別の職員が「時間がないのでゲートにまっすぐ行ってください。免税店に寄る時間はありませんから。」
「何いってんだよ。こっちはね、朝の9時から並んでるんだよ。水も飲みたいし、おなかもすいて死にそうだし、トイレも行きたいし。」
「お水もってこようか。あ、でもそうするともっとトイレに行きたくなるでしょ。」
「いいよ、水買いに行くから。」

本当は12時発だったのに、セキュリティチェックが遅れたので飛行機も30分遅れた。係員があと30分早くくれば損害も出なくてすんだのに本当に要領のわるいやつらだ。
しかし、この遅れ分の駐機料金も航空券に含まれているのだろうか。
だからイスラエル発着航空券の空港使用料とセキュリティ代は世界一高いのだろうか。

金1万6000円也。
今回は税込み料金だったので内訳がわからないが、日本行きのチケットの税金が150ドルだった。

ゆっくりお茶も飲みたかったのにとほほ
by miche13 | 2005-06-10 04:33 | 学生ビザ取得の旅